中学校 卒業
卒業に近づくにつれ、進路の話が盛んになった。
自分の中では、全く何も考えていない発言と思えるかもしれないが、プロのマジシャンとして、とある方の弟子入りをし、将来プロとして頑張ろうと考えたりしていた。
高校より、とにかく働きたかった。
だが、親は絶対に反対だった。今冷静になって考えれば自分でも納得できる部分はあるが、その時は、親の意見に丸め込まれて、高校の推薦受験をした。
合格発表日は、学年主任の先生のもとに連絡が入り、合格の通知を受けた。
家に帰り親は大喜びだったが、自分の中ではすごく複雑な思いだった事を、凄く今でも覚えている。その複雑という気持ちは、これからの学校生活の不安だった。
卒業式当日。温かな春の日差しのような日だった。私は義務教育の時間を終えた。